By On Off and Beyond
日本の一部業界でも見られそうな話だと思った。本当にcompetitiveだな〜。。〜
「専門化」と「技術進歩の高速化」が同時に求められるシリコンバレーに起きているのは、高学歴化と給与の高騰だ。高学歴化は専門性の高まりの当然の帰結。「親の八割以上が大学院卒」という公立の小学校もあり、修士が日本の学卒と同等のイメージだ。博士号所持者も極めて多い。
就職年齢が上がる一方で、学歴があっても常に失職リスクを抱えており、実際、不景気の時は大学院卒の人でも一年、二年と仕事がないことはざらだった。また、努力を続けても、自分の専門領域が次第に時代から遅れる傾向は否めず、四十代で一線から退かざるを得ないことも多い。
となると、一生の間にバリバリ働けるのはせいぜい二十年ほど。結果として、本当に必要とされている短い間に一生分を稼ぎ出さなければならず、給料は高騰する。「サラリーマンでもスポーツ選手や映画俳優のような稼ぎ方をしなければならない」。それがハイテク王国シリコンバレーの実態だ。
〜
By バツイチ父さんの子育て日記
ちょっと興味深い話を発見。アフリカ大陸の、土地面積がとっても小さいジブチ共和国に滞在経験のある方のお話を元に書かれた投稿なのですが、
ということらしい。彼らの中では、まず旧宗主国のフランス人が最も偉い。次にその他の白人。次いで褐色の肌をもつジブチ人。その下にアジア人。最下層が、漆黒の肌のアフリカ人。
初耳だったので驚きました。というのはジブチ出身の知人(現在は他国で市民権を取ってそこに定住しているものの、二重国籍を許可する国なので未だジブチの市民権も保持している。)がいるのですが、『ジブチは貿易関係で長期滞在している日本人も多いから、みんな日本人に慣れてるよ〜(^ー^)』なんて言っていたんだよね。
現地人が日本人に慣れているからといってそこに差別がないという意味にはならないので、単に私がその事実を知らなかっただけなのですが、この知人は見慣れていた故にか日本人に親近感を持っている人だったので、ちょっと驚いたのでした。
でも、リンク先の投稿の主題からは逸れるのですが、個人的には想像がつかないでもないかもしれません。黄色アジア人といったら、白人や黒人と比べると平均的に小柄で華奢で、中でも一部の国の人間はとにかくあくせく働くので、みすぼらしい雰囲気を持ちやすいかったのかなぁと(今日では必ずしもそういう印象を持たれやすいことはないと思いますが、中国人はそういう印象を持たれることが多かったですよね)。
出稼ぎの外国人労働者には現地語が流暢に話せない人も少なくないし、ある程度話せたところで母語の訛りで変に聞こえたり、あとは外観(元々の姿かたちや服装を含めて。)の違いなどでみすぼらしく見えてしまったりもする。
これは本当は、それぞれの国や地域のcommon sense(常識、というより感覚。)が違うからどちらがより優れているなどということではないのだけれども、自分たちの昔の生活様式で暮らしている部外者を見ると、仮にその部外者本人はそれに満足しているからそういう生き方をしていたのだとしても、「遅れている」だとかネガティブな印象を抱いてしまったりする。1950年代に開発問題で主流だった近代化論の根底にあった考え方というか。
上記リンク先のケースはこれとは少し違うのだけれども、それについて想像したことから少し思い出したことでした。
By クーリエ・ジャポンの現場から 編集長日記 - MouRa|クーリエ、ジャポン
これ、結構「オオー」と思える部分があるかもしれません
。〜いまだに世間一般では、アフリカ人を一緒くたに扱い、区別をつけない人が少なくない(さすがに「アフリカの首都はケニアかな」などという言う人はいないが、「アフリカの子供たち」といった表現を使う人は少なくない)。そんな人のために、ナイロビ発行の週刊新聞「イースト・アフリカン」のコラムニスト、オスカー・キマヌカが、アフリカ人の出身地の見分け方を解説している。彼の理論は後述の通り。
まずは、名前での見分け方。クワメ、クワク、オセイだったら、ガーナ出身。セマクラ、セントゴ、オケロだったらウガンダ(かケニア)の出身。プロミス、イマキュレート、ペイシャンスといった英語系の名前だったら、リベリアかシエラレオネ出身(ジンバブエの可能性もある)だという。
声が大きくて、騒がしいアフリカ人の集団がいたら、西アフリカ系だと考えていいという。北アフリカやアフリカ南部の人は、概して恥ずかしがり屋だし、東アフリカの人は、どんなに嫌だと思っているときでも「イエス」と答える性格で、国連平和部隊などで重宝がられているタイプの人々だからだ。
借金してでもシャンパンを飲んでいる人がいたら、その人はカメルーン人(シャンパンの消費量は、カメルーンがアフリカ大陸で断トツ)。政治好きで、スピーチをするたびにエンクルマの言葉で締めくくる人がいたら、その人はガーナ人。歌と踊りがうまいのは、コンゴ民主共和国(旧ザイール)の人たち。服と宝石にこだわる人は、ナイジェリア人(ナイジェリア人は、インド人や中国人と同じで、世界中どこにでもいる)。世界一美しいのはエチオピア人女性だと言い切る人がいれば、その人はエチオピア人。なにかとアメリカ流を模倣するのは、リベリア人。
陸上の長距離が得意なのは、東アフリカの人たち。スプリント種目が得意なのは、西アフリカの人たち。サッカーに関して言えば、北アフリカと西アフリカが、東・中・南部より圧倒的に強い。アフリカ南部の人たちは、スポーツよりも、歌のほうが上手だ。
これらの指標は結局、ステレオタイプに過ぎないが、それでもアフリカの多様性が何となく想像できる話だ。〜
By 世界おもしろニュース
という点に関して、メディア側の‘改善出来る余地’は存在するだろうが、この状態を‘アンフェア’と定義する事は、米国側に肩入れした状態から起こる判断ではないでしょうか。しかしこういうニュースは、イラクのアブグレイブ刑務所での収容者虐待や、キューバのグアンタナモ基地での「人権侵害」など、米軍が“加害者”である時と比較すると、すぐに忘れ去られてしまう。いつもはテロリストの「人権尊重」を声高に叫んでいるリベラル系大手メディアが、沈黙してしまうからだ。
殉死というより、常軌を逸したレベルの拷問による意味の無い死の存在を知りテロリスト側の残虐さ(問題)を認識している事、‘完全な被害者’ではないという事の認識は重要だけれども、単純にこの状況だけを考えればとアンフェアの様に見えても、一連の活動の背景を考えればそう言えるものはないと思いました。
)国連加盟50周年記念
2006年「世界人口デー」特別シンポジウム
〔同時開催:加藤シヅエ賞授賞式〕
65億人の世界と人口減少社会・日本
2006年初め、世界人口は65億人に到達しました。2050年には90億人を超えると予測されており、世界人口は依然として増加し続けています。
一方、わが国は昨年、出生数が死亡数を下回る自然減が始まり、政府予測よりも2年も早く「人口減少社会」に突入しました。1990年のいわゆる「1.57ショック」を契機に、政府は少子化対策を本格的に打ち出し、「エンゼルプラン」「新エンゼルプラン」など多くの対策を実施してきました。しかし、少子化はまったく止まる様子を見せず、現在の合計特殊出生率は1.25台まで落ち込んでいます。少子化はすでに日本社会に根付いた価値観であるとした見方もあります。もし、そうであるならば、少子化や人口減少社会は、国民の選択による当然の結果と見る こともできま
す。
そこで、本シンポジウムでは「65億人の世界と人口減少社会・日本」と題して、世界65億人の地球が抱えるさまざまな課題や、日本の超少子化・超高齢化、人口減少の状況を分析し、世界の中の日本の役割を参加の皆様とともに考えたいと思います。
■日 時:2006年7月6日(木)13:30‐17:00〈13:00開場〉
■会 場:国連大学(東京都渋谷区神宮前5-53-70) 3階 ウ・タント国際会議場 定員:300名
■入場料:無料
■プログラム
13:30開会挨拶・国連加盟50周年に思う
明石 康〔人口問題協議会会長、元国連事務次長〕
13:45対 談:国連人口基金親善大使報告「エチオピアで出会った人びと」
話し手:有森裕子〔国連人口基金親善大使〕
聞き手:石井澄江〔ジョイセフ常任理事・事務局長〕
14:20休 憩
14:30特別講演:「人口減少社会・日本と男女共同参画」
猪口邦子〔少子化・男女共同参画担当大臣〕
進行役:池上清子〔国連人口基金(UNFPA)東京事務所長〕
15:10パネルディスカッション:「65億人の世界と日本」
コーディネーター:西内正彦
〔NPO法人2050理事、「世界人口ブレティン」編集長〕
パネリスト:阿藤 誠〔早稲田大学人間科学学術院特任教授〕
池上清子〔前出〕
樋口恵子〔東京家政大学名誉教授、高齢社会をよくする女性の会代表〕
16:30加藤シヅエ賞授賞式
17:00閉 会
※なお、猪口大臣は公務などの関係で変更の可能性がございますことを予めご了承ください。
主 催:人口問題協議会、(財)ジョイセフ(家族計画国際協力財団)
共 催:国連人口基金(UNFPA)、国際家族計画連盟(IPPF)、
(社)日本家族計画協会
協 力:(財)アジア人口・開発協会、NPO法人2050
★★お申し込み方法★★
インターネット、FAX、ハガキのいずれかの方法〔下記(1)〜(3)参照〕でお申し込みください。
先着順に入場券をお送りいたします(6月中旬以降)。
(1)ネットでの申込み
http://www.joicfp.or.jp/jpn/event/sympo_2006.shtml
「参加申込みフォーム」に必要事項を入力の上お申し込み下さい。
(2)FAXでの申込み「参加申込み用紙(PDFファイルhttp://www.joicfp.or.jp/jpn/event/images/entry.pdf)」に必要事項をご記入の上、
FAX:03-3235-9776宛に送信してください。
(3)ハガキでの申込み氏名(ふりがな)・郵便番号・住所・電話番号・所属をご記入の上、事務局までお申し込みください。
【事務局】
〒162-0843 東京都新宿区市谷田町1-10 保健会館新館
(財)ジョイセフ 「世界人口デー」特別シンポジウム係
TEL: 03-3268-3150 / FAX: 03-3235-9776 / E-mail: info2@joicfp.or.jp
FOREIGN POLICYとthe Fund for Peaceが出した[Failed States Index 2006]
Failed States(破綻国家)とは大体、国の中央政府が国家領域を統治するのに十分な力を持っていない不安定な国の事です。
政治や経済、軍隊、社会指標における不安定さを12の指標で表したグラフ。トップ13位まで、全部アフリカ大陸にある国々です。14位に北朝鮮が入っているけれども、トップ20カ国のうち16カ国がアフリカ諸国。
右は破綻国家と汚職の関係性が分かるグラフ。汚職度が高いほど国の統治も安定しておらず右上がりになります。日本も含め、先進国はほぼ全てが左下の欄に収まっています(ほぼと書くのは、ある程度の経済力がある国の事を言いたかったから。)
ランキング1位にある通り、民族浄化という名の虐殺行為が記憶に新しいスーダンが最悪に酷いね。
コピペ from JJM
2005年11月25日発行
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JMM[JapanMailMedia] No.350 Friday Edition
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http://ryumurakami.jmm.co.jp/
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■ 『オランダ・ハーグより』 春 具 第129回
「ブリティッシュ・スクールのハローワーク」
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■ 『オランダ・ハーグより』 春 具 第129回
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「ブリティッシュ・スクールのハローワーク」
娘の通うハーグのブリティッシュ・スクールの校長さんから手紙が来ました。
曰く、あなたは国際機関に永くお勤めだと聞くが、将来についてそろそろ考えはじめている高校生たちに国際公務員について話をしていただけないだろうか、という丁寧なお誘いである。この街のブリティッシュ・スクールには,高校生高学年を対象に親がでてきてじぶんたちの仕事について話をするというプログラムがあります。わたくしの前にはシェル石油の部長さんや、飛行機会社の重役さんとか、国際的な弁護士事務所のパートナーとか、投資銀行家などがきて話をしていったらしい。こういう親たちの話をとおして、子どもたちもああ、こういうおもしろい仕事があるんだなと考えるきっかけになるということである。
だが、いま国際機関について元気な話をするのは難しい。かつてのように楽しく心躍るお勤めではありません。昨今の国際機関は、国連をはじめ、これといった成果を出していないだけでなく、あちこちでスキャンダルまがいの話にまみれております。国連のオイル・フォー・フードのスキャンダルをトップに、いくつかの機関で起きた職員によるプロジェクト資金の横領、PKO兵士たちの暴行レイプ事件、職員組合の造反、などなどとネガティブなニュースは枚挙にいとまがない。そんなときに国際公務員になるために啓蒙的な話をするのは、なんか子どもたちを騙しているような気さえする、たいへんな仕事であります。
そのオイル・フォー・フードスキャンダルですが、国連事務局の内部浄化改革は混乱を極めているようであります。物資の調達に関わるスタッフは銀行口座を開示しなければならない、そして今いるポストには5年以上いてはいけないなどというルールができたということを聞いたが、5年ごとに担当者が移動して、オフィスのノウハウというか institutional memory はどう管理されるのだろう。銀行口座を開示してどうなるというのだろう……。外側から見ていると、羹に懲りてなますを吹くというか、振り子の触れ方が左から右へ極端である。こういう対応はその効果よりもスタッフの不安を助長しているだけではないか。スタッフというのは生身の人間であることを忘れているように、わたくしには見えてしまう。マネージメントとしても稚拙であると思うのですが……。
醜聞に追い討ちをかけるがごとく、スキャンダルがらみの職員を解雇すべく懲戒処分委員会にかけたところ、処分委員会は事務総長の解雇手続きは違法だという判断を下してしまった。さらに、あろうことか、この不当手続きのニュースがメディアに流れてしまったのであります(わたくしはこの話を内部情報ではなく、BBCの報道によって書いております)。体面を取り繕おうと焦っている事務局の姿がありありとみえてしまう。事務局は内部浄化を急いでいますよというパブリシティとしても、せこいよ。
そんなことで、国際問題にも関心の強い若い学生さんたちに向かい、国際公務員は立派な仕事だなどとは、今日び、偉そうに言えたものではありません。であるが、いまは不幸な冬の時代であっても、国際公務員という職種は本来なかなかおもしろい職業であるし、スキャンダルがあるといっても、まあ、それを取り繕うのもお役人の能力のひとつだったなと考え、わたくしは、その傷口にはなるたけ触れないような原稿を書き、パワーポイントでプレゼンをつくって、先週、ちょっとどきどきしながら(わたくしは人前で話すのが苦手である。喉が乾き,声がかすれる。女房はプレゼンの前にカモミール茶でも入れようかなどとからかう)、100人ほどの生徒の前に立ったのであります。
プレゼンテーションは大学の講義を砕いた感じで、「国際機構論」的に話を始めました。以下はその要約です。
みなさん、おはよう。
近代的な意味の国際機構というのはね、18世紀から19世紀中葉のヨーロッパにおける産業革命と資本主義の成立に始まります。産業革命は、みなさん世界史のクラスで勉強したように、ジェニー紡績機の発明とか、ワットの蒸気機関の発明とか、フルトンによる蒸気船の発明とか、スティーブンソンによる蒸気機関車の実用化とか、市民の生活をすっかり変えた。通信手段の発展により国境を越えた連絡が可能になり、鉄道網の展開や河川の航行の整備によって物資が国境を越えて移動できるようになったのであります。そのためにそれらの行為を管理する必要が出てきたのです。
たとえば、ヨーロッパには何本も大きな河川がありますね。ライン川とかローヌ川などそれらはいくつもの国を通過して大西洋に流れ込んでいます。蒸気船が商品や旅行者を積んで走るとき、その川の沿岸国がそれぞれに違った課税制度や航行規則を実行していたら、通行する船舶は混乱するばかりである。そこで、こういう河川貿易や通商を公平に管理する事務が生じてきたのです。これらの業務を行うインターナショナルな組織を作ろうということになった。できた組織は国際行政機関とよばれ、これが国際機関の始まりです。ダニューブ川の航行を管理する国際委員会は1856年のパリ条約により、そしてライン川の航行管理は1868年のマンハイム条約による国際委員会によって行われることになりました。ヨーロッパ域内ではあるが、当時の「グローバリゼーション」というわけだ。
そしてこれらの組織に働くひとびとを「国際公務員」と称するようになったわけで、彼らは出身国とは関係なく公平な仕事をするために公務員としての独立性と中立性が要求され、かつそれらは認められることになったのであります。国際公務員の独立性と中立性の萌芽であり、その裏返しとして、国家は彼らに干渉しないという約束をしたのであります。不干渉は彼らが職務を遂行するにかぎり、訴追しない,逮捕しない、刑事責任、民事責任を負わせないというもので、これが国際公務員における特権免除という原則である。
国際行政機構のアイデアは、このような国を超えた行政上の利害の協調調整から、次第に平和と安全保障の問題へとすすみ、国際連盟へと発展していきました。連盟は1919年に設立された。だが惜しいことに国際連盟は平和維持、安全保障維持について構造的な欠陥を擁していて(決定は満場一致により、しかも拘束力がない)、20年しかもたなかった。国際連盟は欧州の政治危機に際して安全弁の役割を果たすことのないまま、世界は第二次世界大戦へと突入してしまったのです。
このときの教訓をもとに、1945年に世界はまた似たような国際機関をつくりました。これが国連であります。国連憲章に国際の平和と安全保障、民族自決、人権の尊重なんぞを掲げて、この新生国際機関は1945年に船出した。これらについては様々に書かれているから、詳しい模様はここでは省略。
あれから60年。国連もすっかりおじいちゃんになりましたが、そのあいだにも世界の状況を反映しながら業務をひろげ、いまやエイズ、テロリズム、グローバル・コントラクト(民間企業との協力を謳う)、開発のためのミレニアム・ゴール(このあいだ世界が行ったライブ8の、あれであります)、人権、軍縮……と間口を広げ、総スタッフは1万2千人ほどである。
国連のなかにも補助機関としてユニセフ、HCR、開発計画、軍縮会議、人権委員会、地域経済委員会などの機能的組織がつくられ、国連の周辺にも専門機関とよばれる組織がつくられる。世界保健機構、ユネスコ、国際労働機関、国連食糧農業機関、世界貿易機関などがそれであります(国連専門機関は、いま19ほどあります)。それらを総称してふつうには国連ファミリー、あるいは UN system とよびます。
国連ファミリーにはいらない独自の国連組織もある。弊機関OPCWがそうだし、原子力を管理するIAEA、核実験をモニターするCTBTO、EU(欧州連合)、ASEAN(東南アジア諸国連合)、AU(アフリカ連合)なども広義の国際機関だし、アジアの開発を資金的に援助するADB、東欧の発展を資金的に援助するEBRD、東欧の安全保障を扱うOSCE、ヨーロッパの特許を扱うEPO、ヨーロッパの宇宙研究所であるESTEC、欧州の原子力を管理するCERNなどの地域機関もあ
ります。
それぞれに専門分野を異にし、国連が総合デパートだとすれば、専門機関は小売店というわけだね。
それらに共通する国際公務員の要件とは、先に述べたよう、任務における職員の「中立性」と「独立性」であります。このふたつは職員の国際性として、国際機関設立文書(通常は条約の体裁をとる)に必ず記されております。国連憲章では100条がそれにあたります。
「中立性」と「独立性」はいずれもなかなか政治的に手強い問いでありまして、まず「中立性」について、かつてソヴィエトのフルシチョフ首相は「中立国はあっても、中立人はいない」と言ったことがある。当時の安保理の常任理事国は西側4国対ソヴィエトという構成だった(まだ中国の正統政府は台湾だったのです)。だから、ソヴィエトがどんな議事をだしても西側に葬り去られてしまっていたから、そういう組織の事務局、もっとありていにいえば事務総長も西側の手先と彼らが考えてもおかしくない。坊主にくけりゃ袈裟まで憎いとばかりに歴代の事務総長そして事務局も西寄りとみられ、モスクワにとって目の敵であったのでありました。
それに対して当時のダグ・ハマーショルド事務総長は、1962年にオックスフォード大学でおこなった International Civil Service: its law and factという有名な講演で、さきほどの国際河川委員会の例をひき、国際官僚の中立というのは可能なのだ、歴史に証明されているではないかと反論しました。この論文は国際公務員のあり方を正統に論じた講演で、大学に行って「国際機構論」を勉強するひとは読まなければいけない必読論文です。読みたいひとはぼくのを貸してあげますから、あとで言ってください。
「独立性」というのもなかなか難しい問題です。国際機関内部からの情報というのはインサイダー・トレードみたいなもので,なかなか貴重である。だから加盟国は手を替え品を替えて職員に接触し、データを欲しがります。それにフェイントをかけてどこまでかわすかはスタッフ本人の倫理観と経験とセンスであります。冷戦時代にはじぶんの信念に基づいて情報を流した確信犯もいたことがあり(いまもいるかもしれないけどね)、それで国連がスパイの温床と呼ばれたこともあった。このように「独立性」と「中立性」は盾の両面であります。
(このあたりで飽きてくる学生がちらほらみえる。そこでそろそろエンディングにむかう。)
では、どういうひとが国際公務員の理想なのだろう。理想的な国際公務員になれるのだろう。
まず、専門的な技術的な能力がたいせつなのはもちろんであるが、かつてILOの事務局長を務めたウイルフレッド・ジェンクスは「国際公務員は、コスモポリタンである前に自分の国の文化を代表するような人物でなければならない」と言ったことがあります。きみがアメリカ暮らしが永いからといって、アメリカ人でもないのにアメリカ人みたいに行動したら「???」と思われてしまうよ。そういうのを根無し草、デラシネというのだけどね。ぼく自身について言うならば、ほかの同僚たちはぼくを日本人と見ているわけだから、そのことを忘れてはいけないと思うのです。じぶんのもつ文化的背景への地に足のついた理解が、ひいては同僚たちの異文化の理解へもつながるのですよ。つまり、じぶんの文化を軸足にしてよそを見るということだ。日本の文化だってさまざまな外因が混入してできあがっているでしょう。そういうよそとのリンクが理解できて相互に、ああ、そうなんだ、と言えるわけである。
そういうことで、いったん外国へ出たらきみたちはきみの国の「大使」というわけだ。国際機関はそういう「大使たち」の集合なので、その意味のことは国際機関の人事規則にも書いてあることなのです。
そして、質疑応答である。
「国際機関にはいるにはどうしたらいいんですか」学歴は修士か博士が要求されています。加えて実務の経験があれば、なおけっこう。だいたいはポストに空席が生じてから、雇用広告がでます。民間企業なんかでは、新人を束で雇用してから各所に振り分けることが多いでしょう。でも国際機関は基本的にポストごとに募集します。つまりその仕事ごとの専門家を雇うというわけですね。もっともグループでまとめて試験をし、ロースターに登録しておくということも平行して行われています。国連のジュニア・オフィサーの雇用はだいたいロースター方式です。
おっと、忘れるところでしたが、国際機関は官僚機構ですからコミュニケーションの能力が重視されます。いまは多くの機関が複数の言語に精通していることを要求している。英語とフランス語は、国連ではワーキング・ラングエージです。もっとも、これからは英語だけできればすむという時代でもないでしょう。ヨーロッパに住めば三つも四つも言葉のできる人間がごろごろいるのである。アメリカ人くらいなもんか、英語しかできないのは。
「なんで国連なんかにはいったのですか」ぼくの場合は、偶然です。ほんとはジャズなんかやりたくて、その勉強もしたけれど、ジャズで喰っていけるほどの音楽的な想像(創造)力と自信がなかったのだな。かわりに国際政治がおもしろかったから、それをやっているうちに国連にはいってしまった。ぼくの場合は特殊な例です。きみたちの参考にはならないな。ジャズは趣味です。
「給与とか待遇はいいですか」はっはっ。やっぱりきたね、この質問。答えは「昔はよかった」です。ぼくは国連の黄金時代は1980年代までだと思っているのだけど、あのころはぼくたちヒラ職員でもビジネスクラス(あるいはエコノミーのワンランク上)で飛ばしてくれた。国連にお金があったこともあるが、この職場にはそれくらいのプレスティッジがあったのです。いまはどの機関も緊縮財政で、事務総長、事務局長しかビジネスで飛べません。ま、ぼくは元気だからね、そんなことで疲れることはないけれど、サラリーなんかは先進国と単純に比較しても、いまはプライベート・セクター(NGOをふくむ)の方がずっとよろしい。給与に加えて職務上の待遇も、国際機関はどこも以前よりずっと悪いです。
というあたりでそろそろ時間になり、「ブリティッシュ・スクールでのハローワーク」は終わったのですが、ちょっと歯切れの悪いエンディングだったですね。そんなに待遇が悪いなら国際機関に働くメリットは何なのか、なんであなたは安月給で働いているのか、ぼくたちもそんな職場へ来いとあなたは言うのか、という現実的な質問にわたくしは答えることができなかったのであります。本来ならば国連憲章に意義を感じるからとかなんとか言いたいが、なんせ国連本体がスキャンダルだらけですからね。モラルの下がりきった職場を目の前にして、理想主義で逃げるわけにもいかない。わたくしも及び腰になってしまった。
それよりも、結局わたくしが最後に話したことは、いまのグローバル化した時代には、必ずしも国際機関にこなくたって国連的な仕事はできる、というのがわたくしのいまの考えであります。これはわたくしがずっと前に村上編集長と対談したときにも話したことでありますが(『啓蒙的なアナウンスメント2』)、若いひとたちは国連や専門機関だけに焦点を当てるのでなく、NGOや民間企業(さきのグローバルコンパクトで、国連と協力しようとする企業がたくさんある)を経験するのもいいのではないか。数年そういうところで経験を積んで、国際機関にきてもいい。そしてまた数年して民間や政府機関へ出て行ってもいいのです。そういうマルチなキャリアの作り方というのもこれからは多くなるだろうし、実際的でおもしろいと思うのであります。
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『啓蒙的なアナウンスメント<第2集> 世界の現状』村上龍/日本放送出版協会
http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/4140807717/jmm05-22
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春(はる) 具(えれ)
1948年東京生まれ。国際基督教大学院、ニューヨーク大学ロースクール出身。行政学修士、法学修士。1978年より国際連合事務局(ニューヨーク、ジュネーブ)勤務。2000年1月より化学兵器禁止機関(OPCW)にて訓練人材開発部長。現在オランダのハーグに在住。訳書に『大統領のゴルフ』
http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/4140808993/jmm05-22
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JMM[JapanMailMedia] No.350 Friday Edition
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JMM[JapanMailMedia] No.350 Friday Edition
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独自配信:104,755部
まぐまぐ: 15,221部
melma! : 8,677部
発行部数:128,653部(8月1日現在)
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【発行】 有限会社 村上龍事務所
【編集】 村上龍
【WEB】 http://ryumurakami.jmm.co.jp/
ご投稿・ご意見は上記JMMサイトの投稿フォームよりお送り下さい
別に“国際人”が人間としての絶対的理想だとも思っていないんだけれども、言うであれば“国際人”とはこれに限るだろうね。
まぁ実際には国連職員として働いている人は色々です。地位も本当に色々だし、職員の心構えも色々。
当人が育った環境が国連職員としての有用性に寄与するところもあるから、数ヶ国にIdentityを見出す一方で時にはどこの国にも自分のIdentityを見出せないという人もいる。だから必ずしも“どこか一定の国に強いIdentityを見出す事が出来てその国を土台として多人種が蠢く環境の中で生きれる人というのが国連職員に向いているというわけではない。
けれどもそういう特殊な(人によってはIdentityの見つけどころがなく悩む事もあるのです。)環境で育っていない限りは、やっぱり特定の国にIdentityを見出してそれを吸収した上で国際社会に出れる人が本当に強いんじゃないかなと思います。
井の外に出ていながらもしっかりやって輝いている人にはそいう人が多いと思うよ。
あれかね、“家族の支えがあるから頑張れる”みたいなものなんじゃないかな。土台があるからしっかり動ける、っていう。
[大卒が安定雇用を得られた時代の終焉] by On Off and Beyond

